アップサイクルは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、「創造的再利用」とも呼ばれています。
デザインやアイデアによって付加価値が与えられることで、ものとしての寿命が長くなることも期待できるため、製品のアップグレードと捉えることもできます。
日本では、再利用する文化は古くから根付いていました。例えば、陶器などの割れやひびを漆でつなぎ、継ぎ目を金や銀で装飾する伝統技法「金継ぎ」は、室町時代から行われていたと言われます。「もったいない」は、今や世界の共通言語となった日本の文化です。
大量廃棄を生み出す大量生産、大量消費の社会に代わり、持続可能な社会への転換が差し迫った課題となっている今、アップサイクルがあらためて注目されています。
アップサイクルとリサイクルの違い
リサイクルは、廃棄されるものの中から使えるものを取り出し、原料や材料として再利用することです。廃棄されるものを再利用するという点ではアップサイクルもリサイクルも同じですが、アップサイクルは原料や材料に戻すのではなく、元の製品の素材をそのまま生かすという特徴があります。
アップサイクルは、製品を原料に戻す際にエネルギーを必要とするリサイクルより、さらに持続可能な再利用の手法であると言えます。
リサイクルの代表例としては、ペットボトルを原料にした繊維で作られる衣類や、紙ごみから作る再生紙、トイレットペーパーなどがあります。